【ビジネスモデル2.0図鑑】今までにないイノベーティブなビジネスを生み出す方法とは?

ビジネスモデル2.0図鑑

 

詳細

タイトル:ビジネスモデル2.0図鑑
著者名:近藤 哲朗 (チャーリー)
発売日:2018/9/29
ページ数:256p
出版社:KADOKAWA
価格:定価 2,808円、Kindle 2,527円

 

著者 近藤 哲朗 氏

チャーリーこと近藤 哲朗 氏は、『面白法人カヤック』というWeb制作会社(事業内容は面白コンテンツ事業)を経て、カヤックメンバーと社会課題の解決を目的とした事業や組織を応援するため、株式会社そろそろを創業した。

現在は、その株式会社そろそろの代表取締役社長をしつつ、約50人体制の有志組織「ビジネス図解研究所」を運営し、「ビジネス×図解の追求」をコンセプトに、大企業やNPO法人向けにビジネス図解のコンサルティングを行っている。


参考サイト

株式会社そろそろ
近藤 哲朗 | 面白法人カヤック

 



 

簡単メモ

⬇︎公式ホームページに本著の図解がアップされています。
ビジネス図解研究所 — 株式会社そろそろ

さらにさらにびっくりすることに、著者は現在、『#全文公開チャレンジ』と称して内容を全てnoteにアップしています。
以下のツイッターの固定ツイートから見ることができますので、気になりましたらぜひ参照してください。(2018/11/14現在)⬇︎



では本題の著書『ビジネスモデル2.0図鑑』の簡単なメモをご紹介します。


本書は100個の幅広いジャンル、業態のビジネスモデルをぱっと見でわかるビジュアルで捉えることができる図鑑のような本です。

『ビジネスモデル』の問題点と考え方

ビジネスモデルは一般的に、
● 思考バイアスを生みやすい。
● 模倣されやすい。

などの問題はありますが、それ(すでに認知されてしまったモデル=定説)を踏まえて、逆説的に考えていくことが重要です。なぜならば、いきなり今までにないビジネスモデルを生み出すことはとても難しいからです。


コツとしては、経営資源であるヒトモノカネ情報のどれか1つを刷新することで、どこにも存在しなかった「仕組み」が生まれています。つまり、この流れに注目して見てみると新たな発見に出会えるかもしれません。

本書のターゲット

「ビジネス食わず嫌いの人」にこそ読んで欲しい。
数字やバランスシートと聞いただけで苦手意識がある人、ビジネスモデルなんて考えたこともない人、クリエイターの人、そして特に、これから社会で影響力を持ちはじめる若手の人。

「逆説の構造」とは?

① 起点から定説を捉えて、
② 逆説を生み出し、
③ 起点と逆説を組み合わせる。

という構造になっている。

● 例えば 『俺のフレンチ』
「一流のフレンチ」(起点)は、「座って食べる高価な料理」(定説)というのが普通だった。
でも、『俺のフレンチ』はそれを「立って食べる手頃な料理」(逆説)にした。立ち食いにすることで、価格を安くしても通常のフレンチレストランの3倍前後の回転率になり、客を3倍迎え入れることができる。

「非常識」をいかに実現するか?

ここでの大事なポイントは、「逆説」が強いほどそのビジネスは「非常識的」であるということ

だからこそ「逆説」と「起点」を組み合わせるためには高度な仕組みが求められます。当然ですが、「逆説」そのものが非常識的であればあるほど、普通はそれを成立させることが難しいです。

にもかかわらず、世の中には逆説が成り立つような仕組みを作り上げている「すごい事例」が存在します。

「逆説の究極形」がイノベーション

逆説の「逆」が最も強い状態こそイノベーション
例えば、雨が降っていたら傘をさすのは当たり前で、昔からずっと変わらず使っている。もし傘以外に、手を使わず、絶対に濡れないアイデアがあれば・・・

事例紹介

本著では、「ソーシャル(社会性があるか?)」「ビジネス(経済合理性があるか?)」「クリエイティブ(創造性があるか?)」が重なる事例こそ、これからの時代に生き残るビジネスモデルであるとしている。


● 事例① 『Spacious』 開店前のレストランがコワーキングスペース
レストランは売上拡大や宣伝効果につながる

コワーキングスペースはWeWorkなど多くの企業が提供しているが、だいたいは新しく空間を作っている。それを逆説で考え、元あるスペースを利用しようという考え。

個人的に魅力的だと思ったのは、次95ドル(約10,000円)払えば、契約している好きなレストランに入れるというもの。決まった場所だと、場所に飽きたり、わざわざそこに行かなきゃいけない手間がかかるが、それが一気に省ける。


● 『サイゼリア』 安いのに本格的な食材を支えるのはなぜ?

イタリアンのファミリーレストランサイゼリア』。とにかく安い。

その理由の一つ目は、メニューの数を減らし、強いメニューを育て、食材ロスや作業効率を高めること。
二つ目に食へのこだわりで、イタリアの食品会社と直接契約を交わし、自社で畑を所有して育てたりしている。

そのため、品質を保ちながらも、無駄を省いているのである。

 

最後に

本著では「会計は店を出る前にするもの」を逆説として「店内で会計しなくていい」ように、技術で解決した『Amazon Go』のビジネスモデルなども紹介しています。

また、本記事では本著の一番の強みであり面白い部分でもある「その企業の業態が一目でわかる図解」を掲載していません。

もし、これから面白いビジネスをやりたいという人は本著からヒントを得るのは得策だと思いますので、ぜひ参考にして見てはいかがでしょうか。