マッキンゼーやGoogle、リクルートなど13職経験人が分析した今後の生き方と若い世代の可能性[モチベーション革命]【読書メモ】
「信頼」があってこそ「自分の好き・得意」を追求できる。
====
「自分の強みはなんだろう」
「現状に不満がある」
「このままでいいのか」
この著書は今のモヤモヤをスッキリさせて自分の進むべき道を示してくれます。
本当にオススメしたい一冊です。
著者である尾原氏は、世界最大のコンサルティング会社マッキンゼーや世界一のIT企業Google、はたまた楽天やリクルートなど13職を経験しています。
それら経験から言える、今の時代を中立的に分析した若者の特徴や生き方、今後の可能性をわかりやすく一冊にまとめてくれています。
かといって分厚い専門書のようなものではなく、各章各章が短く端的に書かれているので大変読みやすいです。
詳細
タイトル:モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書
著者名:尾原和啓(おばら かずひろ)
発売日:2017/9/27
ページ数:222p
出版社:幻冬舎
価格:定価 1,620円、Kindle Unlimited 0円
著者 尾原 和啓 氏
1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。
マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab、取締役)、コーポレイトディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)、Fringe81(執行役員)の事業企画、投資、新規事業などの要職を歴任。現職の藤原投資顧問は13職目になる。
ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『どこでも誰とでも働ける 12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール』より
この著書の他にも最近出版されたものだとこちらがとても人気です。
どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール
- 作者: 尾原和啓
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/04/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
この他にも気になる著書がありましたらぜひご覧になってください。
簡単メモ
(概要や詳細はAmazonページより参照ください➡︎モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 (NewsPicks Book))
なぜ、あなたは稼ぐために頑張れないのか?
あなたは「上の世代」と違い、
生まれたころから何もかもが揃っていたので、
金や物や地位などのために頑張ることができません。埋めるべき空白が、そもそもない「乾けない世代」なのです。
しかし、仕事がなくなっていく時代には、
この「乾けない世代」こそが希望になります。
(本書「はじめに」より)
時代による欲望の変化
アメリカ人心理学者のマーティン・セリグマンは人間の欲望には、「達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭」の5つからなると唱えた。
団塊の世代(1947〜1949年に生まれた人)以前は前の二つを強く欲した。汗水垂らして高い目標を達成して、美味しいものを食べ歩く。
➡︎「身体的・心理的・社会的な快楽」を味わうことが幸福の形だった。
しかし今の「乾けない世代」は、後ろの3つを重視する。「自分が頑張る意味が持てるもの」に「自分が好きな人たち」と「とことんハマる」ことを重視する。
➡︎金銭や物理的な報酬とは関係なく「自分の好き」を追求する。そしてもっとも大切にしているものは「時間」。
「これをやれば成功する」という黄金律がない時代の今だからこそ、自分だけにしかできないことを突き詰め、楽しみをお金に変えていくことができる「乾けない世代」は強い。
あなたの心と身体の中にも、まだ目覚めきっていない無数の可能性がザクザク眠っているはず。どんな人の中にも、その目は眠っています。あとはそれをいかに見つけ、どんな嵐が来ても、まっすぐ成長させていけるかどうか。それは若い世代に限らない。
考えてみよう
自分は5つの欲望のうち、何に幸せと感じるか分析してみると、自分自身のモチベーションを引き出す上で有効になる。
ポジティブ心理学者 マーティン・セリグマンのTEDでのプレゼンはこちらです。
www.ted.com
仕事を頑張ったぶんだけ結果が出て、社会全体が成長していく時代は終わった。
理由は二つある。
一つは、日本の人口が減少傾向にあり、かつてのような右肩上がりの経済成長を望めないこと。もう一つは、社会のIT革命とグローバル化によって、あらゆる変化のスピードが速くなったこと。
また、「時代が変わる」=「働き方が変わる」ということでもある。
食品業界に関しても、戦後は安く広く食べ物を配れるかが重視され、「全国に健康的な食品を」と目標を決め、あとは決めた手順に沿って、ひたすら同じ食品を生産していればよかった。
しかし、どの家庭にも食品が行き渡るようになると、次は「品質」が求められるようになった。よって仕事では、消費者の欲求という「課題」を解決する能力が求められるようになる。そこでファミレスの誕生やレトルト食品などが続々生まれて来た。
では今はというと、美味しくて安い物が溢れており、消費者の欲求はうんと多様化している。「お肉を好きなだけ食べたい、でも痩せたい。」「SNSにアップして、いいね!されたい」など非常に個人的で細やかな欲求があり、そういった潜在的な欲求を見つけ出して、体験をプロデュースしていくのが、これからの仕事。(太らない肉メニュー、インスタ映え)
残業するほど暇ではない
シリコンバレーでは週休3日や残業なしの企業が多い。ただ、彼らは休みの間家でのんびり休んでいるのではなく、社員にしっかり休暇を取らせるという会社の目的には、「休んでいる間に、街でユーザーをしっかり観察して来てね」という意図が込められている。
つまり、休んでいる間に、「インサイト」を発見してくるという”仕事”が科せられえているということ。
インサイトの吸収量を増やす上で一番手っ取り早いのが、外部からの刺激を増やすこと。
例えば、みんなが働いている月曜日に仕事を休んで街を歩いていると、スーパーで主婦が何を買っているのか、街で子供がどんんな風に遊んでいるかが見えてくる。毎日、目の前の仕事に追われているサラリーマンには見ることのできない「リアル」。
好き勝手やるにも「信頼」があってから
仕事と遊びの境目がなくなる時代だからと行って、好き放題やればいいというわけではない。周囲からの信頼感を得ているからこそ、自分がより得意なことに専念する状態を作るスタートラインに立つ、ということは忘れないでほしい。
著者も、転職した先でいつも真っ先に地味な仕事から手をつける。他の人の手が回らなくなって停止状態のプロジェクトを整理したり、誰もが嫌がる契約解除の手続きをしたりする。得意ではないが、これが「いざとなったら、地味な作業もきちんとやってくれる」と周囲に信頼されるようになる。
いつの時代も人は信頼が全て。これだけはずっと変わらない社会のルール。
非効率な「好き」こそが次の産業
人工知能にも代替不可能なものは「嗜好性」。
簡単に言えば、「私は誰になんと言われても、これが好きだ」という偏愛。人が頭で考えて、答えを出せるようなものは、人工知能の方がより優れた答えを早く出せるようになる。人の嗜好性は非常に非効率なもの。ファッションもそう。
だから、これからは「他人から見れば非効率かもしれないけど、私はどうしてもこれをやりたい」という偏愛とも言える嗜好性を個人がどれだけ大事に育て、それをビジネスに変えていけるかが資本になってくる。
そして、「偏愛」を突き詰めることは、まさに「乾けない世代」の得意分野なのである。
ゴレンジャー
それぞれの違った強みを持っているゴレンジャーが理想。
黄レンジャーは普段は役に立たないけど、たまに役に立つ時がある。お互いに得意不得意を補い合う。それぞれが得意なことをできるようにする。しかしそのためには自分たちの凹凸をはっきりさせておくこと。
価値とは、「差異×理解」
人との違いも、相手や周囲に理解されなければ価値を発揮しないが、きちんと理解できるようになれば、途端にその違いが価値に変わる。例えば黒人。
つまり大事なのは、他者に対する理解を広げようとすること。理解が広がらなければ、相手との違いを楽しめない。
・変化の時代では、「安全社会(「僕たち、みんな”一緒(似た者同士)”だよね?だからお互いの立場を脅かさないよね」)」は機能しない。これからは「信頼社会(「私にはこれができない。だからあんたに任せます。その代わり、私は自分の得意な作業をがんまります。」と言い切り、お互いを信じてたより切る社会。)」を前提にコミュニケーションをしていくべき。
これが高速でできているのがgoogle。googleでは信頼を大前提として、驚くべきほどの情報公開が公開されている。それは現場の人たちがより瞬発的に動けるようにするとき、情報が遮断されていたら間違った判断をしてしまうかもしれないから。
「信頼」とは
文字どおり信じて頼ること。つまり相手より先に自分が信じることが大事。
一旦信じて裏切られることへの不安や恐怖を払いのけて、とにかく相手を信頼し、身を預けてみる。すると、相手も自分に身を預けてくれるようになる。これらを繰り返しながら、絶対的な安心感を得ていく。
チーム作りで大切な「why」
チーム全員で「あなたはなぜここにいるのか」を問い、みんなの「why」が一人一人の「why」につながるように、対話を重ねて成長していくこと。「why」はその人のエネルギー源。
変化の時代の中で、メンバーがそれぞれの強みに基づいて、瞬発的に動いても、「why」を擦り合わせさえすれば、大きな方向はブレない。
また、上に付随して「お互いの心遣い、配慮や共感」がない組織では、失敗すると恥をかくのではないか?と冒険しなくなる。チャレンジしてもみんなついてきてくれる、失敗しても受け止めてくれると思えるから、クリエイティブな試みが生まれる。
⬅︎本著ではこれを見極める質問内容も書いています。
尾原さん自身は?
会議の最中に議事録を書き上げてみんなに見せたことが得意。
すると次々と会議に呼ばれるようになった。さらに続けていくと、会議における問題も見えてきて、ファシリテーターへと成長していった。
つまり、単に自分が好きだったり得意だったりすることで、他の人にはできないことをひたすらやり続けて居たら、次第に活動範囲が広がったり、自分の「好きなこと」自体がバージョンアップして価値がどんどん上がっていった。
誰だって最初にできることはほんの小さなこと。しかし、それを夢中になって続けて居たら、誰もが認める価値を持つことができるようになる。
日本人は頼るのがヘタ
小さい頃から他人に迷惑をかけてはいけないと育ってきた。だから他人の目もめっちゃ気にする。
しかし、インドでは日本の反対で、「あなたは誰かに迷惑をかけて生きていかなければならないのだから、他人の迷惑も受け入れてあげなさい」という。
⬅︎それはなぜなのか、なぜそうなったのか、本著では書かれています。